明治期の図書館貸本屋論
「図書館は無料貸本屋か」という論議が館界には古くからある。そもそもこの論議はいつ頃から誰が提起したのか、定かではない。古いところでは、湯浅吉郎(1858-1943)の名前があげられる。湯浅半月の名で明治初期の新詩の詩人として広く知られた人物だが、アメリカに留学し、創成期の図書館に貢献もしている。明治37年4月、京都府立図書館館長に就任したとき、談話が「京都日出新聞」に載っている。「自分の方針は図書館を貸本屋にすることだ」と述べている。当時、図書館には閲覧主義と貸本主義があり、アメリカから学んできた湯浅は、貸本主義を支持していたのである。
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