資本主義と社会主義
最初に「資本主義」Kapitalismusという語を使用したのはカール・マルクス(1818-1883)であるが、「資本主義」という概念そのものを発見したのは、マルクスではないといわれている。現在の研究では、フランスのいわゆる空想的社会主義者といわれるピエール・ルルー(1797-1871)ということになっている。「社会主義」(socialisume)という語もルルーが論文「個人主義と社会主義」(1834年)で最初に使用したといわれている。つまり「社会主義」が「資本主義」に先行して語が成立し、社会主義思想の普及とともに「資本主義」の概念が成立したというのである。社会の現状をきびしく批判し、社会主義の概念を考案したルルーは著書に「人間性について」(1840)があるが、オノレ・トーミエのリトグラフ「当世代議士鑑」(1848年)には「社会問題の警句のコレクションを持ち、かの偉大なる哲学者は国民議会の集会に向かう」と皮肉たっぷりのカリカチュアがある。
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