大森一樹と井筒和幸
大森一樹の新作「世界のどこにでもある、場所」がもうすぐ全国公開されるという。震災以降、あまりメジャー作品はないように思う。いまは大阪芸術大学教授となり、のじぎく兵庫国体やら行政との関係も深いし、新聞の悩みの相談までしている。好人物が災いして、本業の監督業にさく時間が減ったのは残念に思っていた。本来、1978年デビュー当時、若手監督の旗手といわれた才人である。同年の井筒和幸はポルノから出発したが、現在はむしろ大森よりも注目される監督である。過激な言動やパフォーマンスもあるが、映画に専念すれば面白い作品をつくるパワーがある。大森と井筒は同じ関西出身ながら対照的な環境にあるが、対談すればどんな会話になるだろう。面白い映画は社会的な地位でつくれるものでも、人柄でつくれるものでもない。何を表現したいのか、人間に対する限りない愛情のようなものが明確に映像表現できれば共感をよぶことができる。2人にはその才能がまだあると思う。
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