悲しみは空の彼方に
ラナ・ターナー主演の大時代のメロドラマ。クローデット・コルベールの「模倣の人生」(1934)のリメイク。見所はラナとジョン・ギャヴィンの恋愛よりも、黒人女中の母娘。娘のスーザン・コーナーは混血だが、一見したところ白人と変わりがないので、少女のときから白人で押し通そうとしていた。しかし信仰心の篤い母ファニタ・ムーアは黒人であることを隠すのはよくないと教え、二人はいつも対立する。この悲劇が見るものの心をうつ。公民権運動が起るときなので、人種問題への捉え方には問題があるかもしれないが、通俗的ドラマとしては成功している。ファニタの盛大な葬儀で終わるラストも感動的である。当時、アイゼンハワー大統領の誕生日にホワイトハウスで歌った黒人歌手マヘリア・ジャクソンも登場している。ハイティーン娘のサンドラ・ディーがとても可愛い。「避暑地の出来事」でブレイク。トロイ・ドナヒューも端役で出演している。このあとすぐサンドラが歌手のボビー・ダーリンと結婚したというニュースでガッカリした思い出がある。いまはもうサンドラやトロイもいないが、ファニタ・ムーアは元気である。人の運命は判らない。
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