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2011年1月25日 (火)

売れる本を書くことは破滅することである

    屋敷に一歩も出たこともない庭師が主人の急死により、人生が一変する。新聞社のインタビューを切っ掛けに、マスコミがその知性を賞賛し、時代の寵児となる。ピーター・セラーズの晩年の作品に「チャンス」という変わった映画があった。現代は多様な才覚のある人が自分を売り出すためにあの手この手を繰り出す。知性派といわれる人たちの本はほんとうに100年後も読み継がれていくものなのだろうか。1年間に5冊、10冊と出版する人に中身のあるものがあるのだろうか。勝間和代、斎藤孝、中谷彰宏、苫米地英人、茂木健一郎、香山リカ、そして池上彰。書店には彼らの本が毎月のように並ぶ。大量出版にブームづくり。しかし昨年の書籍販売は2兆円を下回った。幸せになる本、教養がつく本、などというのは安易なものでは身につかない。一人の天才が10年以上かかって一冊の薄い本を執筆して、しかも難解で読めない。しかし再読し、すこしは理解できるようになるまで10年かかる。それが名著といわれるもののセオリーだろう。大手出版社は粗製乱造で自ら墓穴を掘ったものである。大学教授も安易な新書版で小遣い稼ぎをせずに、本来の学究的研究に精進してもらいたい。

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