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2011年1月27日 (木)

三顧の礼で国滅ぶ

    英雄たちが活躍する三国志は日本人にも親しまれている。先日の国会でも菅直人首相が72歳の与謝野馨を野党から経済財政相に起用したことについて「三顧の礼で迎えた」と答弁した。かつて小渕首相も78歳だった宮沢喜一を蔵相に迎え入れたときも「三顧の礼」が引用されたことがある。広辞苑に「優秀な人材を迎えるときに取る、手厚い礼儀」とあり、故事の引用としては適切なのだろう。しかし、何か腑に落ちない。それは言葉が軽いからだろう。劉備が天才的な戦略家である諸葛孔明を三度にわたって訪問し、軍師として迎えいれたのは孔明27歳、劉備47歳のときである。20歳も年下の白面の一青年を、75kmも離れた孔明の家宅(劉備のいる新野から隆中までの距離)に三度も行ったのだから、関羽や張飛としても面白くない。だが周囲に不満の声がでてるのはわかっていても、それでも劉備は孔明を起用したいという固い決意があったのであろう。遊泳術に長けた老人に礼を尽くすということとは本質的に別物である。やはり口は上手いが菅直人には深い教養というものがない。それが証拠に、三顧の礼をもって迎えた蜀の国は魏によって亡ぼされてしまった。亡国の故事を引用するとはなんたる不見識か。

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