吉良邸討入り
吉良邸内の斬り合いは終わったが、肝心の吉良義央の姿が見えない。そのうち炭小屋とおぼしき場所に人の気配がした。中から二、三人飛び出してきた。間十次郎が槍で突くと、武林唯七が、残る一人を斬り捨てた。引きずり出してみると白無垢の小袖をつけている。これこそ仇の吉良上野介義央である。大石内蔵助が調べると、確かに亡君の刀傷の傷あとがあった。間十次郎は内蔵助の指図でその首を打ち落とした。主君の刃傷以来、約半年を経てその仇敵・吉良義央を討ち、主君の鬱懐を晴らした浪士たちは感極まって落涙したといわれる。
時はきたれり大石が
四十七士を引き連れて
雪の夜道をひたひたと
めざすは本所松坂町
手筈通りの采配に
吉良の屋敷の表裏
門を掛矢で突き破り
雄叫び上げてなだれ込む
天の助けか雪明かり
忠義のあかし吉良の首
ものの見事に討ち取りて
男子の本懐遂げにけり
艱難辛苦浪々の
身は報われて男泣き
向かうは高輪泉岳寺
赤穂浪士の晴れ姿
ここに残して伝えける
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