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2010年12月19日 (日)

新しいということと流行病

    師走もあと13日で終わる。年末恒例のレコード大賞や紅白ももうすぐ。新聞では2010年の回顧の論評。朝日新聞によると年間ベストセラー第1位は「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」である。今年のランキングのキーワードは「学び直し」。手近なノウハウ本ではなくより深い知識、つまり教養的、哲学的に知に触れたいという傾向が強い。小説部門は村上春樹の「1Q84」、冲方丁「天地明察」、湊かなえ「告白」、吉田修一「悪人」、桐野夏生「東京島」など映像作品の原作が多く、文学的には低調な1年だった。そんな中で識者のイチオシは星野智幸「俺俺」、朝吹真理子「流跡」。話題の本というのは、つねに新しさをもっている。読書家はこれまでの実社会の経験をへているので、新しさにインタレストを感じるのであろう。しかし一般の読書家はむしろ発行年数を相当に経過した作品であっても読まず嫌いということがあるから、手垢のついた名作物を読んでも感銘をうけることが多い。教養書では「学び直し」のブームで池上彰や斎藤孝の本がよく売れるが、「わかりやすい」というだけで新鮮味は乏しい。オスカー・ワイルドは「流行とは我慢のならない醜さの一種である。だから半年ごとに流行を変える」と皮肉たっぷりに言っている。流行をもっとも端的にあらわすのは歌謡曲であろう。かつて流行歌といった。レコード大賞もCDの時代となっても「レコード」とは昭和臭いにおいがただよう。朝日新聞のレコード大賞の受賞曲のランキング・ベスト3は「ルビーの指輪」「喝采」「また逢う日まで」だった。なんと昭和臭いことか。EXILEなど平成のレコード大賞はあまり心に残らないらしい。平成のベストセラーも10年後も読まれ続ける本はどれだけあるのだろうか。

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