哲人大統領マサリク
現代史のなかで哲学者で政治家という人物はあまり思いうかばない。チェコスロヴァキアの初代大統領トマーシュ・マサリク(1850-1937)は数少ない哲人大統領といえる。モラヴィア地方の御者の息子で、若い頃は鍛治屋などをしながら苦学してウィーン大学に学び、プラハ大学の哲学教授となった。「具体的論理学」(1885)ほか多数の著作を発表。1891年、青年チェコ党から推されてオーストリア帝国議会議員となり、民主的連邦制改革を唱えて現実主義運動を展開した。大戦勃発とともに、1915年亡命先のロンドンでチェコスロヴァキア民族会議を組織、独立達成後は1918年10月大統領に選ばれた。議会制民主主義擁護、民族問題解決などに尽力した。
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