世界人物史 大祚栄(だいそえい)
渤海国の建国者・大祚栄(在位698-719)といってもあまりなじみがない人物かもしれない。しかしわが国と渤海国(15代、228年間)との関係は深いものがあった。聖武天皇の神亀4年(727)、突然渤海国の使節がわが国を訪問してきた。12年を経た天平11年(739)にも、使者己珍蒙(きちんもう)等が出羽国に到着した。このとき日本に高麗人参が初めてもたらされたといわれる。以後、926年、契丹に滅ぼされるまで渤海は35回も来貢している。
大祚栄。廟号は高宗。高句麗人とする説と靺鞨人とする説がある。高麗滅亡後(668)、698年の契丹族の反乱に乗じて、靺鞨族を統合して勢力を確立、則天武后の軍を破り、698年に震国を建てて自ら震国公と称した。713年に、唐の玄宗皇帝から渤海郡王に封ぜられ、それ以後は、国号を渤海とするようになった。(参考:鳥山喜一「渤海史考」、内藤虎次郎「日本満州交通略記」、津田左右吉「渤海考」、鎌田重雄「渤海国小史」)
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