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2010年12月29日 (水)

ウンビリョン(隠秘峠)と人間の条件

Photo     なぜか深夜に目覚めてしまい寝つけないので録画していた映画を2本見る。一つはユン・ソクホ監督のKBS単発ドラマ「ウンビリョン(麗しの峰めぐり逢い)」(1997)、もう一本は小林正樹監督の「人間の条件第3部」(1959)。この時代も国も異なる作品ながら、なぜか人間とか生といった本質的な問題を自問させられる所に作品の力があるのだろう。友人の恋人を好きになってしまった男の思い出を美しい映像と音楽で描いた文芸作品。イ・スンウォンの小説「ウンビ峰」は地図から名のない峠を見つけだし、小説の題材に取り上げた。近くの町の人も知らない「神秘が隠された地」という意味を込めて、作家は隠秘峰(ウンビリョン)と名づけた。小説のヒットとともに、この名が標識に載り地名として定着したという。「冬のソナタ」(2002)の3年前の作品だが、冬ソナと類似シーンがいくつかある。2500万年の時をへて一巡する星のように、人間も2500万年後には同じ出会いや出来事を繰り返すというシーンは、ポラリスと同じ。バスの中でソンヘ(イ・ヨンエ)がチョンウ(イ・チャンフン)に凭れかかって眠るシーン。冬ソナ通学バスでのチェ・ジウとペ・ヨンジュンと同じ。主演のイ・チャンフンは「招待(インヴィテーション)」でもイ・ヨンエと共演している。まことにうらやましい俳優さんである。優しくておとなしい人物が多い。野球帽をかぶり素足のままのイ・ヨンエ。結婚して子どももいるイ・ヨンエ。こうした時間の経過も冬ソナと同じ。季節は冬というのも同じ。冬ソナが何年もあたためていたものを集大成したものであることが改めてわかる。ソンへはユジンだ。「人間の条件」は全部で10時間くらいある作品なので少しづつ見ている。第3部は、田中邦衛が南道郎にイジメられて自殺する。この作品全体のテーマは軍隊の非人間性である。しかし軍隊という過去の出来事だけの話であろうか。むしろ現代でも企業、官僚組織、職場、学校といった人が集まるところではなにかしらの差別、イジメ、非人間的な行為がなされていることを訴えているように思える。人が人を支配するためには、数人の生贄を出すような恐ろしい思考が人間の中にある。またそれを傍観する弱い心がある。軍隊だけではなく、大きな組織の中では精神に障害をきたしたり、自殺に追い込まれたりする者の出ることをみてきた。人間であること、自然であること、自由であること、を叫びたい。

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