無料ブログはココログ

« うそ寒 | トップページ | 河田小龍 »

2010年10月25日 (月)

ディオゲネスになりたい

    アレクサンドロス大王は哲学者ディオゲネスの評判を聞いて、コリントにいた彼を訪ねた。哲人は酒樽を住まいとし、毎日のんびりと暮らしている。大王は「お前の好きなものは何か。望みがあったら遠慮なく申してみよ」というと、日なたぼっこをしていた哲人は、面倒臭さそうに、「そこに立っていられたのでは日陰になって困る。早くどいてくれ」と答えて、大王を追いはらおうとした。哲人は何よりも束縛をきらい、自由と酒を愛した。大王は、「もし私がアレクサンドロスでなかったら、ディオゲネスになりたい」といったという。

    この逸話は世界史の中でも秀逸のエピソードとしてよく知られる。酒を愛し酒樽で寝ているディオゲネスもよいが、教えを請おうとした大王の人柄も好ましいものである。史書によれば、アレクサンドロス大王は人に対しては傲慢さや尊大さはなく、謙譲であったと伝えられる。

« うそ寒 | トップページ | 河田小龍 »

世界史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« うそ寒 | トップページ | 河田小龍 »

最近のトラックバック

2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31