エディプス・コンプレクス
フロイトによれば、男根期の男児は、性器に対する関心から、しだいにもっとも身近な女性である母親への愛着を、無意識のうちに強く感じ、父親に対する関心は嫌悪や反感を抱くようになるという。スタインベックの「エデンの東」には青年のエディプス・コンプレクスがよく描かれている。次男のキャルは父から疎まれている。父アダムはピューリタンの信仰にこり固まる古いタイプのアメリカ人。キャルは活動的で享楽的な新しいタイプのアメリカ人。この二つの世代が激しくぶっかりあう。フロイト流の父と子は、性欲と強く結びつけすぎるきらいはあるものの、その学説はアメリカ社会でつよく支持されていたようだ。戦後のアメリカ映画やドラマに父と子の対立を描いた作品は多い。
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