理想喪失の悲しむべき秋の一日
幸徳秋水が明治43年6月、伊豆の湯河原で逮捕された。当時、東京朝日新聞の校正係員だった石川啄木(1889-1912)は大きな衝撃を受け、さっそく「時代閉塞の現状」を書く。そのなかで啄木は、「我々青年を囲繞する空気は、今やもう少しも流動しなくなった。強権の勢力は普く国内に行亘っている。現代社会組織はその隅々まで発達している」と述べ、そのような時代の雰囲気を「理想喪失の悲しむべき状態」と表現している。この年のある秋の一日。
時代閉塞の現状をいかにせむ 秋に入りてことにかく思ふかな
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