志士をめぐる女性群像
NHK大河ドラマ「龍馬伝」。血なまぐさい幕末動乱の中で、健気にも志士と行動をともにする女性たち。真木よう子の「お龍」、中村ゆりの「おうの」。楢崎龍(1841-1906)は龍馬が近江屋で斬殺されたあと、嫁家坂本家にとどまらなかった。乙女と衝突したともいわれる。坂本家を去ったあと、明治6年、妹の起美の嫁ぎ先の菅野覚兵衛(海援隊隊士)を頼り奇遇(築地)。ここで商人の西村松兵衛と明治8年、再婚する。入籍時に「西野ツル」と改名している。晩年は横須賀の退職海軍軍人工藤外太郎の庇護を受け余命を送った。墓は横須賀信楽寺にある。おうの(1843-1909)は晋作が病死したあと、剃髪して梅処尼と称し、晋作の菩提を弔っている。このほか明治の顕官になった者たちは、遊里の名花を妻にしたものが多い。桂小五郎の幾松(木戸松子)、伊藤博文のお梅、井上馨の君尾、陸奥宗光の小鈴などである。龍馬の妻お龍だけは経済的に苦労したが、死ぬまで龍馬の妻だったことを誇りにしたといわれる。
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