懐かしき鉄道馬車の時代
軌道の上を走る馬車を鉄道馬車、または馬車鉄道といった。いまから150年ほど前にイギリスで発達した。発祥地はイングランド北西部マージーサイドの工業都市バーケンヘッド。19世紀初めまでは一寒村にすぎなかったが、ウィリアム・レアードが造船所やドックを建設し、港湾都市として発展し、製粉工場もできた。このためアメリカのC・F・トレインがイギリスで初めて鉄道馬車を開設した。これに続いてロンドンに3つの路線が開設された。鉄道馬車が最初にアメリカに導入されたのは1850年代であるが、その後20年のあいだに、欧米で急速に広がった。日本では明治15年に東京市街鉄道馬車が新橋~日本橋間にまず開通し、つづいて上野~浅草雷門~横山町を通って本町で本線と連絡された。明治36年まで東京では営業され、東京以外の地では昭和のはじめまで残っていた。
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