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2010年10月23日 (土)

無為徒食

    「働かざるもの食うべからず」という言葉がある。70歳はあろうかと思われる高級紳士服を着ている老人を通勤電車でよくみかける。重役か医師か弁護士か大学教師かしらないが高給をとっていそうだ。日本では樽の中のディオゲネスはあまり尊敬されない。悪質な中学生に夜間イタズラされそうだ。勤勉な国民性か、老人になっても働くことが美徳であるという社会的風潮がある。もちろん電気、ガス、水道代はもとより携帯などの通信費やレジャーにもかかる。医療費や税金も高額である。老人といえども金がなくては生きてはいけぬ。むかしの蓄えなどはつかい果たした人も多いだろう。無為徒食という四字漢語が否定的に使う人と肯定的に使う人に分かれる。無為徒食は是としたい。働かなくてもいい。もう十分に仕事をされたのだから、あとはあなたのしたいことをゆっくりと人生を楽しみなさい、といいたい。好々爺という言葉がむかしはあったが、そのような老人にも出会うことはなくなった。株や投資でギスギスしていろ老人ばかりである。著述業というのもかってはのんびりしていた。みんな詩歌では生きてはいけないから本業があった。文豪といわれる森鴎外でさえ軍医の職務で多忙だった。斎藤茂吉、木下杢太郎、西東三鬼は医師、加藤楸邨、木下利玄、太田水穂、土屋文明、島木赤彦、釈超空、会津八一、窪田空穂、中村草田男は教師だった。川田順は会社員。臼田亜浪、土岐善麿は編集人。中村憲吉は酒造業。伊藤左千夫、古泉千樫は牛飼いだった。みんな慎ましく暮らしながら芸術的で美的な人生を送っている。むかし著述業だけではよほどの資産家しか存在できなかった。現代は著述業はビジネス産業であり、斎藤孝、中谷彰宏、苫米地英人、勝間和代などの自己啓発本は書店に山積みされている。著者の死後も売れ続ける本ではなそうだが、売文業として割り切っているところが現代的でもある。

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秋が深まり、霜を見るようになり、冬の気配が感じられます。今日は二十四節気で「霜降」。毎日楽しみに読んでいます。

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