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2010年10月11日 (月)

声はするけど姿は見えず、透明人間現わる

Photo 移情閣(孫文記念館)

  透明人間ほど映画と相性のよう題材はない。特撮技術の効果で観客はビックリさせたり、創造を大きくふくらませられる。薬品によって姿が消えるという奇抜なアイデアは19世紀末のH・G・ウェルズのものだが、早くもトーキー初期クロード・レインズ(あのカサブランカでバーグマンの脱出を見逃した粋な警視)が包帯を巻いた透明人間に扮している。この映画を真似て大映が「透明人間現わる」(1949)を戦後つくった。当時の観客は透明人間(小柴幹治)がタバコを吸うシーンに驚いた。また占領下で剣戟映画のスターが出演している。月形龍之介が中里博士を、羅門光三郎が捜査刑事を演じている。宝石泥棒たちのアジトには神戸の移情閣がロケで使われている。孫文が亡くなる前年にここを訪れているので、孫文が消えてわずか25年後の移情閣の映像である。羅門光三郎はその後消息不明で没年すらわからない。夏川大二郎、喜多川千鶴、水ノ江滝子、上田吉二郎、杉山昌三九など出演者たちももうこの世にはいない。

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