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2010年10月15日 (金)

図と書について

    図書学とは、あまり聞きなれない学問かもしれないが、図書を対象として、これを科学的に研究する学問をいう。大正13年に田中敬の著書に「図書学概論」というのがあり、書誌学と区別する意味で使用された。そのころの図書館員は図書館学が未発達だったので、書誌学をするものが多かった。古い図書館雑誌などを見ると、図書館の研究よりも、書物に関する研究のほうが多い。そして書誌というと英語のビブリオグラフィーやある主題に関する参考文献目録を意味するので、これらと区別するため図書学を長沢規矩也は闡明にした。

    ところで「図・書」とは今日ではbookの意味で使われているが、漢籍を調べると、地図と書物という別々のものを指していたらしい。江戸時代の日本人もこのことは理解していたらしく、「圖・書」を「としょ」と読む事はなく、「ずしょ」と読んでいた。つまり「圖」(ず)とは地図のことである、「書」(しょ)が書物のことである。「圖」の「口」は「くにがまえ」で、囲むという意味である。啚は米倉を表した。米倉は耕作地の境界、それを表した地図を意味している。

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