ロートレック礼賛
画家トゥールーズ=ロートレックは我が国では単に「ロートレック」と呼んでいることが多いが、「トゥールーズ=ロートレック」とひとつの姓なので切り離さないで呼んだほうがいいそうだ。トゥールーズ家というフランスでも屈指の名門である。そして正式名は「アンリ・マリ・レーモン・ド・トゥールーズ=ロートレック」というからやけに長い名前である。山高帽に鼻眼鏡、ステッキを片手に夜毎の歓楽街を徘徊する短躯の紳士は、まさしくモンマルトルの象徴であった。だがその生涯は短い。享年37歳。今日はトゥールーズ=ロートレックの命日である。幼少期より虚弱体質だったが、彼の運命を変える事故が14歳のときにあった。客間で転倒して左足を骨折したのだ。さらに翌年は、みぞに転がり落ち右足を骨折した。以後、上半身は普通に成長したが、両足の発育は停止した。そのため彼は画家になることを決心する。晩年は夜更かしとアルコール中毒により、幻覚症状を起こしたが、最後まで絵筆をはなすことはなかった。
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