サラリーマンの勲章
フジテレビの恐怖劇場アンバランスはいわゆるお蔵入りになっていたドラマで1973放送されたが、製作は1969年ごろである。シリーズ中、もっとも注目すべき作品は、現代サラリーマンの実存的不安の心理を見事に描いたのがこの第10話「サラリーマンの勲章」である。原作は樹下太郎(1921-2000)の「消失計画」(文春文庫の「サラリーマンの勲章」に所収)
一流会社に勤める平凡な係長・犬飼一郎、39歳は課長に昇進した。だが彼にとって昇進は苦痛以外の何ものでもなかった。ある日、遅刻したのがきっかけとなって会社をずる休みする。バーのマダムの家にとめてもらう。やがて彼は奇妙な計画を思いつく・・・・。人間蒸発が社会問題視された頃のサラリーマン小説か。円谷作品では脇役が多かった梅津栄が小心なサラリーマンを好演している。共演も富士真奈美、津島恵子、中丸忠雄、神田隆、南広と豪華である。
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