潜水艦ドンガメ暮らし
潜水艦を扱った映画は戦前から片山明彦の「潜水艦1号」(1941)がある。戦後「人間魚雷回天」(1955)「人間魚雷出撃す」(1956)「深く静かに潜行せよ」(1958)「Uボート」(1981)などがある。昨夜は昨年公開された「真夏のオリオン」を見る。敵駆逐艦と潜水艦との激しい攻防戦は「眼下の敵」(1957)を想起させる。「一枚の楽譜」に当世風の平和へのメッセージが込められている。だが藤田進や三船敏郎のような男性的な俳優のいない戦争映画はなんとなく甘いものに仕上がっている。
日本に限らず潜水艦の居住性はとても悪い。冷暖房の設備はなく、船内の空気が汚れている。8月の艦内は暑い。それに出撃したら風呂には入れないし、水も貴重だから髭そりも十分ではない。服も不潔であろし、身体から異臭を放つ。真夏のオリオン星を見るより、鼻のもげるような臭いがする。そんな不潔な感じが全然しないイケメンスターぞろいだった。また潜航中は煙りを出すので、煮炊きはできない。映画には調理係が調理するシーンがあったが、あのような美味しそうな食事だったのだろうか。本によれば、白米飯はあるが電熱器は、電気が最大の動力源なので使わない。乾パン、赤飯もみんな缶詰。野菜は出航三、四日で使いきってしまう。惣菜は粗末なものである。一説によれば艦内は機械音以外に音はなく静かだという。映画のように乗組員がハモニカを吹いたり、大声で復唱しているのは本当だろうか。海軍といえばハンモックだが、潜水艦にはハンモックがない。床寝が一般である。朝晩の区別なく、だれかが交代で船内で寝ている。朝か昼かわからなくなる。長時間潜航がおわって艦橋のハッチがあけられて、一気に新しい空気が艦内に入る。空気がうまい。これは潜水艦に乗ったものでないとわからないという。潜水艦乗りで現在、生き残っている者は少ないという。沈没すれば戦死する確率が高いこともあるが、生き残ったとしても、胸部疾患、ビタミン不足による脚気、視力の低下、など全身に与える悪影響は大きいものがある。潜水艦勤務は想像を絶する過酷なものであろう。
可愛い魚雷と一緒に積んだ
青いバナナも黄色く熟れた
男世帯は気ままなものよ
髭も生えます 髭も生えます
不精髭
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