土用干し
「芸」とは、苜蓿(うまごやし)に似た草の名。特有の香りがある。昔、書物の間に挟んで、防虫剤とした。転じて、蔵書や、書斎、芸香(うんこう)とも。蓺(げい)は別字。「藝」(うん)は、「芸」の異体字だが、のち「蓺」と混同され、「蓺」と同じ意味に用いられた。
むかし、大正生まれの歴史教師が授業で、「藝」の字を「芸」と同字としたことを批判していた記憶がある。「藝術」(げいじゅつ)の藝の字と、「芸香」(うんこう)の「芸」の字はあきらかに別字で意味も読みも異なる。ようやくこの年になって、「藝」と「芸」の違いに気づいた。
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コメント
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こんばんは、
芸と藝はちがうんですか。教育漢字になった。
芸は身のうち、の芸とは、武芸の意味だそうです。乗馬弓組手水術なども含めた十八般の芸。歌舞や茶筆などの和歌ごとは、芸でなかった。
芸者は、藝者と書いてたのかなあ。
投稿: さぶろた | 2010年7月23日 (金) 23時45分
こんばんは、先生、夜なのにまた暑いです。
いつもありがとうございます。手軽(笑)に知識の補給をさせてもらってます。
芸と藝はちがうんですか。教育漢字になったのは大正時代なんだ。
甲野さんという古武術の本を読んでたら、芸は身のうち、の芸とは、武芸の意味とありました。乗馬弓組手水術なども含めた十八般の芸のうちが早飯。歌舞や茶筆などの和歌ごとは、芸でなかった時代があったのを知って面白かったです。
芸者は、藝者と書いてたのかなあ。
投稿: さぶろた | 2010年7月23日 (金) 23時49分
さぶろたさん、猛暑が続きますがお元気ですか。いつも読んでいただきありがとうございます。「藝」は「うえる」というのが本来の意味だそうです。つまり手を加えて栽培する。(園藝)人工を加える仕事。わざ。古代中国では、礼・楽・射・御・書・数を「六藝」(りくげい)と称したそうです。「藝」の字より、「芸」(うん)の字のほうが古いらしく、二つははっきりと使いわけられていた。奈良時代の石上宅嗣の日本最初の私設図書館「芸亭」は「うんてい」と読みます。総合雑誌「文藝春秋」は今でも「藝」の字を使っていますね。
投稿: ケペル | 2010年7月24日 (土) 09時28分