玉座の上の最初の近代人フリードリヒ2世
NHK高校講座世界史第13回「十字軍の時代」まとめ
シチリア王国の王で、神聖ローマ帝国の皇帝でもあったフリードリヒ2世(1194-1250)は、文芸を奨励し、その比類なき事績、人物から「玉座の上の最初の近代人」とか「世界の驚異」とか言われる。
フリードリヒ2世は神聖ローマ皇帝ハインリヒ6世の子、母方の祖父はノルマン朝シチリア王国のルッジューロ2世。わずか3歳でシチリア王国の王位につき、シチリア王国という異文化が共存する世界の中で成長した。ドイツよりもシチリアにいることを好んだといわれる。法王グレゴリウス9世によって十字軍遠征を命ぜられたが、平和的にエルサレムを奪回する方法を考えた。アイユーブ朝のスルタン、アル・カーミルと粘り強い平和交渉の末、9ヵ条からなる休戦協定を締結し、10年間の和平を実現した。
十字軍は1096年から1270年まで続いたが、結局エルサレムを奪回したのは、第1回からの約90年間と、第5回のフリードリヒ2世の交渉で得た約10年間のみであった。
今回の講義、高山博の「異文化の衝突と交流」には深い内容があり優れている。トレドやシチリアのラテン、ギリシア、イスラムの文化の融合、12世紀ルネサンスなど文化の重層性を考えさせられた。
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