夏のミステリー・木乃伊が年金をもらっていた
東京都内最高齢111歳のご老人が実はすでに30年も前に死んでいて、自宅で白骨化した遺体が発見されたというニュースは奇妙な事件である。年金610万円が何者かによって引き出されている。横溝正史の小説よりも猟奇的である。不正受給の疑いがあるが、犯人捜査は警察に任すとして、役所はいったい30年以上の間、どんな対応をしていたのだろうか。111歳という高齢者であれば気づかないものなのだろうか。年金受給には現況届という書類を提出することになっているが、それは本人でなくてもできるだろう。そうするとすでに死んでいても、死亡届がでていなければ、戸籍上いつまでも生きていることになり、年金受給資格はあり続ける。杜撰なお役所仕事の不備をつく不正受給者は、ほかにも多数いるのではないだろうか。それにしても木乃伊となった家族と30年も暮らすというのは、円谷英二の「恐怖劇場アンバランス」よりも奇怪な話だ。事実はドラマよりも恐ろしい。
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