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2010年6月23日 (水)

現代心理の複雑性

   「いろはかるた」に「かったいのかさうらみ」というのがある。なんのことか分からない方もおおいだろう。「かったい」(癩)が「かさ」(瘡)を羨む。人々の不幸が多かった時代を思わせる諺である。しかし、この諺はむしろ現代社会の底流にもあるように思える。

   広島マツダ工場の退職した期間限定労働者の暴走は無差別殺人として憎むべきものである。しかしこの理不尽な犯行も組織や会社へのもっていきようのない反抗の一つのあらわれのような気がする。むかしイギリスの19世紀初期のラダイツという暴行を穂積文雄は社会思想として捉えて注目を浴びた。日本航空にも大量の退職者はいるだろう。うらやましいような退職金だろうが、当人にとっては在職者に羨む気持ちがあるかもしれない。「羨む」は「恨む」であり、「怨む」である。企業や組織でしか生きられなくなった現代人が、組織から切り捨てられたとき、自分の居場所を探し出すことは容易なことではない。しかし人間はいつまでも企業人や組織人にはいられない。いかなる時代、状況になろうとも「一個人」の尊厳を見失ってはいけない。

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