源頼光の鬼退治
平安中期、京の洛中洛外で奇怪な出来事が続いた。「昨日は堀河中納言さまの姫君が見えなくなってしまった」「一体どこへ消えてしまったのか。恐ろしいことよ」都の人々は寄るとさわると、その噂で持ちきりとなった。一条天皇は、このことを深く憂慮され、陰陽師に相談した。すると「これより西、丹波の大江山に酒呑童子と名乗る鬼神の頭あり、多く眷属を以って人心を悩ます。すみやかに退治すべし」という結果がでた。そこで、帝は酒呑童子退治の勅命を、武勇の誉れ高い名将源頼光におくだしになった。勅命を受けた頼光は、卜部季武、坂田金時、渡辺綱、碓井定光の四天王と武者平井保昌らを連れて主従6人は山伏姿となり、大江山へと分け入った。頼光主従は酒呑童子の寝所に忍び込み、まず頼光が首をはね、五人が手足や胴に斬りつけた。酒呑童子の首は空中に舞い上がり、頼光めがけて噛みつこうと狙ったが、三神に賜った星冑を恐れ、ついに空中から降下した。物音に鬼どもも目を覚ましたが、いずれも毒のため身体の自由が効かず、次々に討ち取られていった。このとき鬼の岩屋から救い出された者は、13人におよんだという。
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