おじいさんのランプ
むかし近所に「下駄屋」があった。庶民の足は下駄の時代で、販売もするが、もっぱら修繕費で稼いでいた。もちろん消費時代でスニーカーをはくようになり、下駄屋はみかけなくなった。人力車は鉄道や自動車の普及とともに消えた。呉服屋も洋服を着るようになると少なくなった。牛乳屋も家庭で冷蔵庫に紙パック牛乳を保存できるようになると無くなった。ランプは電気の普及とともに消えた。昨日の朝日新聞夕刊に「必要なくなるもの。本棚と書庫。本屋と図書館」(素粒子)とある。ipad発売の日のことで、ジャーナリズムは関心が高い。だが無責任な放言のように思える。本に関わる仕事をしている人は多いだろう。みんな電子書籍への転職を考えるとは思えない。なかには紙の図書に生涯関わって生きていこうと決心した人もいるだろう。無法松や「おじいさんのランプ」のような生き方もある。
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