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2010年5月11日 (火)

漢字制限

    漢字はもともと中国でうまれたもので長い歴史のため現在伝えられる漢字は、5万字以上(「康熙字典」)あるいは8万5000字(「中華字海」1994)あるといわれるが、実際に日常生活で使われるのは7000字前後(JIS第2水準)だろうか。

    わが国の所謂「国語国字問題」での大きな節目となるのは幕末維新、文明開化の明治初期、昭和20年の敗戦時、そして現在であろう。前島密は郵便制度を日本に創った人物として知られているが、将軍徳川慶喜に「漢字御廃止の儀」を上申している。ついで明治になって、南部義籌(よしかず)や西周らは漢字を廃止しローマ字採用を唱えた。敗戦後、GHQは日本人の識字率が高かったので、ローマ字国字論は消えた。志賀直哉のように日本語そのものをなくしてフランス語にという極論も許されるほど価値観は混乱していた。文部省は昭和21年、戦前の常用漢字、標準漢字を修正して、当用漢字1850字を定めた。このとき当用漢字以外に人名用として特別に漢字92字が定められた。(その後も人名漢字285字と増加し、現在983字)。当用漢字は昭和54年に見直され、常用漢字1945字となった。つまり常用漢字と人名漢字と合わせた2928字が赤ちゃんの名前に使える漢字なのである。本年6月には改定常用漢字2136字、と増加する。

   漢字には長い年月にわたる東洋文化の英知が込められている。国民教育の普及に障害となるので明治以来、漢字制限と漢字普及で揺れているが、現代のような高学歴社会では逆に難読漢字を駆使しようとする漢字検定ブームも見られる。これから漢字の運命はどうなるのだろうか。漢字制限への批判を考慮してか、「改定常用漢字答申案」には「漢字表内の漢字だけで文章を書かねばならないという制限的なものではなく、振り仮名などを用いれば表外の漢字も使える」としている。

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