アイルランド叙情詩 一編
ただ一輪、花開いた
夏の名残りのバラよ
美しい仲間たちはすでにみな
色あせ消え去った
その恥じろう頬の赤らみに応え
嘆きの吐息を分かつ
身寄りの花もなく
バラの蕾一つとしていまはない
(トマス・モア「夏の名残りのバラ」)
トマス・モア(1779-1852)はアイルランドのダブリンに生まれる。この詩は、わが国ではバラが白菊に置き換えられているが「庭の千草」として歌われている。
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