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2010年2月18日 (木)

澄んだ眼差し

Img_0025 澄んだ眼差し アバディーン美術館 1877年

    ジョン・エヴァレット・ミレー(1829-1896)は、ヴィクトリア朝時代を代表する肖像画家である。とくに子どもの肖像に優れており、この「澄んだ眼差し」もモデルであるフロレンス・コレッジの誠実な面持ちを正面観で描いている。同時代のフランスのマネの影響がみられる。

    ミレーには社交界を騒がせたスキャンダルがある。ミレーが評論家ジョン・ラスキン(1819-1900)と出会ったのは1851年のことだった。そのときラスキンには美しい妻ユーフィーミア(通称エフィ)がいた。三人はそろって旅行へ出かけた。やがてミレーとエフィは互いに愛するようになる。エフィの行動は社会から非難された。しかし彼女は満たされることのなかった不幸な結婚生活に終止符をうち婚姻無効の訴訟を起こした。つらい、スキャンダラスな審問ののち、婚姻は正式に無効となり、ミレーとエフィは結婚した。だがミレーを寵愛するヴィクトリア女王さえも二人の結婚は認めなかった。1896年、ミレーが喉頭ガンで死の床にあったとき、女王から「なにかできることはないか」との伝言が届けられた。ミレーは妻の拝謁を受けてほしいと願った。妻は醜聞のために宮廷の出入りを禁じられていたのだった。女王はエフィの拝謁を許した。数日後、ミレーは67歳で亡くなった。妻のエフィもその後を追うように翌年12月に亡くなった。

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