サマナ生まれの画家シャセリオ
近代絵画の先駆者テオドール・シャセリオ(1819-1859)の生まれはカリブ海のドミニカ共和国北東部にある港町サマナ(19世紀当時はハイチ)。19世紀初めフランスから独立したものの、ムラートとブードゥ教を信仰する黒人との対立で内乱は続いていた。フランス人のシャセリオの家族が何をしていたかは知らないが、早くパリに帰国し、11歳で新古典主義の画家アングルの弟子になっている。シャセリオの特色は「水浴のスザンナ」をはじめ「エステルの化粧」「クレオパトラ」など官能的な女性美にみとめられる。ハイチでの記憶は無いかもしれないが、異国的趣味は出生地の影響がみとめられる。シャセリオの色彩表現は、のちのモローやシャバンヌに影響を与えた。
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