リチャード・キンブルは健康食品ブームをどうみるか?
「逃亡者第68話、蜜の奇跡」行き倒れとなったキンブル(デビッド・ジャンセン)はジョセファス(アーサー・オコンネル)という男の診療所で手当をうけた。男は医師の資格がなく、「医学は患者を苦しめるだけ」という信念で、ハチミツを製造して民間療法で病人たちに人気があった。だが、患者の一人が糖尿病であった。キンブルは医師としてのヒューマニズムからジョセフスに医療をやめて病院での治療をするよう説得した。まもなくその患者はなくなった。民間治療や健康食品への妄信のため犠牲となった。すでに60年代アメリカで社会問題となっていたのだろう。ハチミツは食品か医薬品か。もちろん食品だろう。過大な効能は被害を大きくする。「逃亡者」は追跡劇のアクション・ドラマ、あるいはサスペンスを期待するかもしれないが、アメリカの社会問題を扱ったヒューマン・ドラマの先駆である。なおこの回には、「勇気ある追跡」「いちご白書」の青春スター、キム・ダービーが登場している。キムにはハチミツよりイチゴがよく似合う。
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