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2010年2月18日 (木)

ある詩人の死

Img_0026 「チャタートン」 ヘンリー・ウォリス  1856年

    18世紀イギリスの詩人トーマス・チャタートン(1752-1770)は貧困のなかで死んだが、19世紀には天才として大いに称賛されるようになった。彼は幼少の頃から詩作を行っていた。彼はそれを古い羊皮紙に書き写して、中世写本と偽って制作していた。セント・メアリー・レドクリフ教会の記録保管室から出した古文書の中から発見したと称して、みずから偽造した古いバラード風な詩を発見したのがまだわずか15~16歳のころであった。15世紀のトーマス・ローリーという名の架空の詩人を中世末期に設定し、その遺作と偽り、当時の復古趣味に乗じて世の注目を集めた。彼はそれを「ローリー詩集」としたが、すぐに偽作であることは見破られ、詩才を生前に認められることはなかった。だが死後、彼の作品はロマン主義の先駆として高く評価されるようになる。ジョン・キーツ(1795-1821)などは、シェークスピアにつぐ最もイギリス的な詩人と絶賛し、さらにロセッティやモリスなどのラファエロ前派の芸術家もチャタートンの詩を評価した。チャタートンの人生は貧窮の極みでロンドンのホルボーンにある屋根裏部屋で毒を飲んで18歳の誕生を迎える前に自らの命を絶った。

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