芭蕉発句集 あや~あら
芭蕉は、自らの俳諧を「予が風雅は夏炉冬扇のごとし。衆にさかひて用る所なし」(柴門ノ辞)で記している。だが心のうちでは十七文字に人生の深淵をのぞくという自負があったであろう。生活が芸術と一体であることが蕉風の真骨頂である。
51 あやめおひけり 軒の鰯のされかうべ
52 あやめ草 足に結ばん草鞋の緒
53 鮎の子の 白魚送る別れかな
54 荒海や 佐渡によこたふ天の川
55 嵐山 藪の茂りや風の筋
56 あらたふと 青葉若葉の日の光
57 あら何ともなや きのふは過ぎて河豚汁(ふぐとじる)
58 霰きくや この身はもとの古柏
59 霰せば 網代の氷魚(ひを)を煮て出さん
60 霰まじる 帷子雪はこもんかな
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