名前カタカナ系の復権
NHK朝ドラ「ウェルかめ」のヒロイン波美を演じるのは「倉科カナ」である。過去カタカナ名の歴代朝ドラヒロインは2005年の本仮屋ユイカ(「ファイト」)だけである。カタカナ名が珍しいわけではない。むしろ昔はひらがな、カタカナがふつうだった。
例 鍵屋カナ(特産伊予絣を考案)、管野スガ(社会主義者)
カタカナはスピード感があってインパクトがあるので現在、芸能人はじめ文化人など分野、男女を問わずよく使われる。
例 オダギリ・ジョー、黒木メイサ、山下リオ、金子ノブアキ、松尾スズキ、水嶋ヒロ、松山ケンイチ、香山リカなど。
アイドル系カタカナ名は、黛ジュン、小山ルミ、山本リンダなど1960年代全盛期であったが、1970年から1980年代に入り百恵、聖子、明菜、桃子など復古調ブームでカタカナ名は著しく衰退する。リカちゃん人形だけが孤軍奮闘。(姫乃樹リカ)21世紀になって柴咲コオウあたりからカタカナ名に復活の兆しが見えてきた。現在は特に音楽関係に多い。
例 西野カナ 加藤ミリヤ 青山テルマ 小野リサ
カタカナ名の元祖は誰か。高倉テル(1891-1986)は国語・国字問題の独自の革新的見解から、「タカクラテル」という筆名を用いた。このほか戦後の漢字害悪論により津田左右吉(1873-1961)は「つだそうきち」と名乗った。だが漢字を避ける傾向は戦前からみられる。おそらく昭和モダニズムの影響だろう。
戦前モダニズム派
吉行エイスケ、花菱アチャコ、横山エンタツ、益田キートン、ミヤコ蝶々、ディック・ミネ
戦後ジャズブーム派
暁テル子、トニー谷、フランキー堺、フランク永井、ジェリー伊藤、ペギー葉山、バッキー白片、ナンシー梅木、ジェームズ繁田、ウイリー沖山
ロカビリー・安保派
ミッキー・カーチス、ジェリー藤尾、渡辺マリ、松島アキラ、清原タケシ、佐川ミツオ、鹿内タカシ、石橋イサオ、尾藤イサオ、ジミー時田、斉藤チヤ子、梅木マリ、青山ミチ、中尾ミエ、木の実ナナ、富永ユキ、スマイリー小原、ダン池田
バラエテイ派
丹下キヨ子、楠木トシエ、若水ヤエ子、中村メイコ、ビンボー・ダナオ、ヨネヤマ・ママコ、メイ牛山、アイ・ジョージ、アントニオ古賀、バーブ佐竹。フォークとロック。マイク真木、浅川マキ、中山ラビ、山崎ハコ、カルメン・マキ
40年代ゴーゴー・ガール
黛ジュン、奥村チヨ、山本リンダ、高見エミリー、小畑ミキ、泉アキ、小山ルミ、朱理エイコ、川奈ミキ、ケイ・アンナ、小川ローザ、和田アキ子、岸ユキ、ジュディ・オング、篠ヒロコ、真理ヨシコ、真理アンヌ、牧葉ユミ、日吉ミミ、シルビア、麻田ルミ、安西マリア、夏木マリ、松尾ジーナ、鶴間エリ
タレント派
幅広く活動するタレントにも。ミッキー安川、下条アトム、森本レオ、山田パンダ、イーデス・ハンソン、横山ノック、へレン杉本、シェリー、ミミ、アン・ルイス、ホーン・ユキ、研ナオコ、泉ピン子、タモリ、谷岡ヤスジ、高木ブー、鈴木ヒロミツ、純アリス、風吹ジュン、江角マキコ、所ジョージ、清水ミチコ、マッハ文朱、キューティ鈴木、幸田シャーミン、桐島ノエル、近藤サト。
無国籍・国際系
ミッチー・サハラ、アグネス・ラム、マギー・ミネンコ、テレサ・テン、アグネス・チャン、三東ルシア、テレサ野田、ルー・フィン・チャウ、ロウイナ・コルテス、チェルシア・チャン、ヒロコ・グレース、ヘレン笹野、グロリア・イップ、中山エミリ、梅宮アンナ、マリアン、オユンナ、アンジェラ・アキ、スザンヌ、瀬戸カトリーヌ、林マヤ、木村カエラ、藤井リナ、ギャル曽根、沢尻エリカ、カイヤ
その他(俳優、ピン芸人など)
デーモン小暮閣下、グッチ裕三、ケイン・コスギ、キートン山田、ルー大柴、ジョン・カビラ、パパイヤ鈴木、ビビる大木、ヒロシ、ヨネスケ、ユースケ・サンタマリア、ノッチ、エド・はるみ、ケンドーコバヤシ、コウケンテツ、立川キウイ、ウガンダ・トラ、ドリアン助川、コロッケ。
やっぱりカタカナ名前の牽引者は、「イチロー」か。大女優の京マチ子という「マチ」というカタカナ名は大阪松竹歌劇団のモダニズムの現われであろうか。
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