佐渡島の鳥越文庫と鵜飼文庫
百人一首の最後の順徳院御製一首。
ももしきや古き軒端のしのぶにも
なほあまりある昔なりけり
(宮中の、古く荒れた軒端には、忍ぶ草が生えているが、その忍ぶ草を見るにつけても、いくら忍んでも忍びきれない昔の御代であることよ)
承久の乱で佐渡に遷御となった順徳院(1197-1242)の遺跡としては真野御陵がある。その近くに、元早稲田大学坪内博士記念演劇博物館館長であった鳥越文蔵の所蔵していた演劇関係の図書2万冊を納めた鳥越文庫(佐渡市猿八329)がある。
また佐渡の自由民権運動家の鵜飼郁次郎(1855-1901)の1万余りの図書を納めた鵜飼文庫が西海岸真野の入江の港町(佐渡市原黒)にある。晩年は禅の信仰と読書に精進したといわれる。鵜飼(旧姓は羽生)は佐渡で最初の代議士で電話の開通などに尽力した。文芸評論家・青野季吉(1775-1833)は佐渡出身で、母・ヒサの兄が羽生郁二郎(鵜飼郁二郎)である。
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