十返舎一九の画才
十返舎一九は大層な大酒飲みでとうとう家財道具まで酒代にかえてしまったので家の中はすっからかんになった。江戸の戯作者は原稿料だけで生活しえたものは少ない。山東京伝、曲亭馬琴、式亭三馬といった一流の作家でも、売薬や化粧品を売ることを副業としていた。一九は死ぬまで、原稿料で生活していたのでいつも貧乏だった。それでも一九は暢気だった。壁に白い紙を貼って、箪笥、床の間、違い棚、花活から掛け物まで描いたところ、ちょっと見には本物にみえたという笑い話が残されている。
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