張良の仙人志願
留侯張良は、漢室創業なるや、病と称して引退し、食事をしない。張良が言うには、「わたしの家は代々韓の宰相であったが、秦のため亡ぼされたので、仇討をすることができた。かくして今は舌先三寸をもって帝王の軍師となり、一万戸の封地を拝領して列侯になっている。平民にとって、これ以上の栄達はない。あとは俗世を捨てて、赤松子のように仙界で遊びたい」と。赤松子とは神農時代の仙人だそうだが、詳しいことはわからない。水玉という水晶からつくる妙薬で体を鍛えたのち、炎に身を投じ、全身を焼きつくして神仙となった。さらに崑崙山で修行をかさねた。炎帝(神農)の末娘が赤松子を追ってきたので、娘にも水晶を飲ませて尸解を施し、2人は天に昇っていった。張良は栄達を遂げた人のお手本のような人物だ。
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