楓橋夜泊
月落ち烏啼いて霜天に満つ(張継)
月は西に没し、烏の啼く声がきこえて、満天霜をはらんで寒さがきびしい
桂樹の冬栄を麗とす(楚辞)
桂の冬の寒気にもしぼまず青々と栄えるのをうるわしとする
一灯独り寒宵を守る
一灯に対してさびしく寒い冬を送る
独り残灯を守って断編を理む
独り夜明の灯に伴うて糸切れた書物を整理する
五更雁を聞き満林の霜
夜明けに飛雁の声を聞いて霜の林に満ちるを推知する
閑日冬と雖も亦自ら長し(陸遊)
冬の短き日といえども閑暇なれば長き心地がする
山峰月を染めて寒し(簡文帝)
独り釣す寒江の雪(柳宗元)
寒窓夢成らず(蘇東坡)
霜天酒を煖むる遅し(張宛丘)
冬来りて幽興長し(唐庚)
冬がきてから殊に物静かなる興趣が深い
書燈茅屋静
読書する冬の灯火は草屋に於て殊に静かである
山月夜窓寒し
山より出でた冬の月は夜を照らして寒い
山鐘夜雪の時(鄭城)
山寺の鐘が鳴るのは丁度夜の雪の降る時である
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