かわいそうな金持娘
バーバラ・ハットン(1912-1979)は4歳で母を、7歳で大好きな祖父を亡くした。祖父F・W・ウールワースは総合小売業の草分け的存在の人物で、彼の巨額財産の一部が孫娘のバーバラに残された。その額は現在の額に直すと約5億7千万ドル。21歳で社交界デビュー。パーティーに出席すると「お金があると幸せも買えるんでしょ」と女性たちに皮肉られた。会場から出ると、有名人みたさに集った群衆から腐ったトマトや卵を投げつけられた。硫酸をかけられたこともあった。バーバラは少女時代ふっくらとしていたが、最初の夫アレクシスに「君は太りすぎだよ」と言われて、極端なダイエットで拒食症になった。生涯7度の結婚。最初の相手はロシア貴族のアレクシス・ムディバニ公。2番目はデンマークのコート・ハウクウィッツーレンベルトロウ、3番目は俳優のケーリー・グラント、テニスの名選手ゴッドフリート・フォン・クラムなど。60歳を過ぎて、バーバラはカリフォルニアのビーチボーイを部屋に入れるようになった。1979年、ホテルの一室ですでに亡くなっているのが発見された。かつてイギリスの俳優ノエル・カワードはバーバラを「かわいそうな金持ちの小さな女の子」と呼んだ。
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