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2009年11月28日 (土)

特高のルーツは御史(ぎょし)

    李朝に実際にあった官職「暗行御史」(アメンオサ)がいまコミックやドラマなどでブームとなっている。地方官の監察を秘密裏に行った国王直属の官吏のことである。ウィキペディアでは「あんこうぎょし」と正しく日本語読みがされているのだが、なぜかコミックでは「あんこうおんし」となっている。もちろんコミックの独自性があるので読み方は作者の自由で許されるのであるが、「御史」という官職は古代中国の伝統を引き継いでいると思われるので、「ぎょし」と読むほうが一般的には素直に理解できると考えている。

    ここで一言申しそえたいのは、韓国の暗行御史は物語の中でだいたい正義のヒーローだそうだが、中国の御史そのものは高官であり、国家権力の中枢を担う職掌である。とくに御史が歴史に登場するのは、有名な秦の始皇帝の焚書坑儒の話の時である。

    方士の侯生と廬生とは、焚書事件の後に夜逃げした。始皇帝はこれを捕えようとしたところ、儒者たちはふたりをかくまったので、御史をして学者を取り調べさせた。学者らは伝え聞いて、次から次へと他人を告げて引き合いに出し、自分だけは罪を逃れようとした。そこで460余人を捕えて、みな咸陽に穴埋めにしたという。有名な史記の焚書坑儒の記述にでてくる御史である。御史は監察を掌る官職であることは、朝鮮、日本でも同じである。図書の検閲などもこの御史が行う。例えていえば、戦前日本の特高(特別高等警察)に似ていないこともない。治安維持法をふりかざし、国体維持の名の下に社会主義、共産主義などあらゆる政治的、思想的自由をふみにじる暗黒政治をおこなう機構である。正義の味方「暗行御史」と悪名高い「特高」のルーツは秦代の「御史」なのである。

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