産業革命と女流作家
フランス革命からナポレオン戦争へとヨーロッパの戦乱が続き、イギリス国内には産業革命が進行した。文学の世界ではロマン主義運動が盛んであった。工場と資本主義農場の発達は、婦人たちの生活にも大きな変化が現われた。やがてマリア・エッジワース(1767-1849)、ジェーン・オースチン(1775-1815)、ハンナ・モア(1745-1833)、メリー・ルイーズ・ミットフォード(1787-1855)らのように自ら作家となるほどの教養を積んだ女性が現われる。とくにオースチンほど驚嘆すべき女性作家はおそらくいかなる国の小説史にもいないだろう。夏目漱石が晩年創作の原理とした「則天去私」は、オースチンの小説上に実現されているといわれている。ロマン主義的な女流作家では、アイルランドの因果な地主の搾取を描いた「ラックレント城」(1800年)の作者エッジワースがいる。そのほかオウピ夫人(Mrs.Opie Amelia 1769-1853)、スコットランド人でスコットの友で「結婚」の作者スーザン・フェリア(1782-1854)、また恐怖小説の「フランケンシュタイン」の作者のメアリー・シェリー(1795-1851)がいる。
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