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2009年11月24日 (火)

水戸黄門と暗行御史

    東映時代劇が好きだ。だが今年は大原麗子、山城新伍、千原しのぶ、かつてのスターが亡くなられて淋しいかぎりである。せめてもの救いは里見浩太朗、北大路欣也、松方弘樹らが大物スターとしての貫禄をテレビで見せてくれていることだ。朝日新聞夕刊連載の「黄門は旅ゆく」も欠かさず読んでいる。水戸黄門の印籠に似たような話が韓国にもあるという。李朝の国王直属の密偵で「暗行御史」という。ケペルは東洋史専攻なので興味を覚える。「御史」とはもともと古代中国の官名で、君主に侍御する史官のことで、秦以後監察官の名称となった。監察とは、監督・視察することである。そういえば、黄門というのも中納言の唐名であり、中国の制度に由来していることも共通する。

  暗行御史は地方官の不正陰謀を糾弾するため、国王がみずから人をえらんで面接し、探索すべき事柄を書いた親書および辞令、旅費を手交する。暗行御史に任命されたものは即刻出発し、都城を出てはじめて自分の行き先や探査事項を知る。使命をはたすまではどんな事情があっても帰京できず、家族への通信も許されなかった。任命されたものの官位は低いものの、国王の分身として絶大な権限が与えられ、誰もその行動を防げることはできなかった。暗行御史が都城を出たという噂がたつと、各地の官吏は畏れた。水戸黄門と言うよりも、「隠密剣士」の秋草新太郎や「薩摩飛脚」の嵐寛寿郎に近い。薩摩飛脚とは大仏次郎の小説だが、幕府の密命を受けて薩摩藩に入る隠密のことである。薩摩藩は西南の雄藩で、砂糖の専売や琉球貿易で財政が豊かである。洋式軍備と藩営工場の建設で謀反の惧れがある。幕府としてはその動向に警戒しておく必要があったのだ。江戸時代の地方監察制度は知らないが、朝鮮の暗行御史の制度など正確な書物があれば研究したい。

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