今日の名画
ホドラー 「走る女たち」 1895年 ジュネーブ美術館
フェルディナント・ホドラー(1853-1918)はスペインのベルンに生まれ、5歳のとき父を、14歳のときに母を亡くし、貧困のなかで育った。1869年トゥーンでフェルディナント・ゾンマーに学び、1872年ジュネーブに出て風景画・歴史画家バルテルミー・メンに師事した。一方、デューラーやレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画論も研究した。1878年にスペインのマドリードに旅行している。初期にはコロー、クールベや印象派の影響のみられる自然主義的な作品を描いたが、1880年後半から作風が変わり、印象主義の影響はなくなり、シンメトリーとパラレリスム(平行原理)によって配置する独特なリズムで群像的な人物を描き、律動的な効果をあげ、表現主義の先駆者となった。後期には、近代的感覚にあふれた歴史画、寓意画などで独自の画風を確立した。
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