地獄の釜の蓋もあく
仏教では世に十界あり。はじめの六界、地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天上を「六道」という。それは迷い世界であり、あとの四界、声聞、緑覚、菩薩、仏は悟りの世界である。
さて、地獄というのは、地獄絵や地獄変で見るように、生前に犯した罪過によって呵責されるところで「呵責の牢獄」といわれる。人間は死後、冥府(地獄の役所)におもむいて閻魔ら10人の裁判官から裁きを受ける。閻魔の両隣に魔神がおり、どんな些細なことでも生前の行ないを漏らすことなく記録している。閻魔はこの記録が書かれた帳簿(俗にエンマ帳という)を細かく点検し、死者の善徳と悪徳とを判別する。また浄玻璃鏡を持っていて、死者が生まれたときから死ぬときまでをビデオのように映し出す。そのため、いかなることも隠しだてできないといわれている。
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