小野道風と白氏文集
白楽天の詩文集である「白氏文集」は、その在世中に筆写請来された恵蕚(えがく)書写本をはじめとして、早くからわが国に伝来された。そして、10世紀のころには広く愛読されるようになった。当然にように「白氏文集」の揮毫は多くなり数々の名跡を今日に伝えているが、なかでも「三体白氏詩巻」(正木美術館)は小野道風の手にかかる優雅な日本的書風である。
小野道風(894-966)の詳しい伝記は明らかではないが、藤原佐理、藤原行成と共に三蹟の一人にあげられるが、三蹟の中で最も早く世に出ている。花札に描かれている、柳に飛びつく蛙を、傘をさしてじっと見ている人が小野道風。実はこの逸話は江戸時代につくられたものらしい。
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