忘れられぬスター
東映時代劇の初期の作品には○○童子というのが多かった。たいていは子ども向きで、短くて連続活劇、「主人公危うし!!」と、いい場面で終る。続きが見たくなる。テレビがまだ家庭に普及していない時代の話だ。「笛吹童子」「夕焼童子」「百面童子」「天兵童子」「緑眼童子」東千代介、中村錦之助、大川橋蔵のスターがいた。橋蔵の前にもう一人忘れられないスターがいた。伏見扇太郎だ。めんこの絵にもなって子供達のスターだった。だが錦之介や橋蔵はその後も活躍したが、なぜか伏見扇太郎は映画やテレビでは見かけなくなり忘れられた。昭和58年、刃傷事件を引き起こし新聞に出ていた。高知で土さ回りの役者となっていた。今日の新聞で千原しのぶが亡くなったことを知った。二人はよく共演していた。伏見扇太郎がどうなったか知らない。羅門光三郎、片岡栄二郎とともに没年不詳のスターである。スターといえどもいつか人気は衰えるもの。伏見扇太郎や千原しのぶの作品は娯楽作品で映画の賞とは無縁の作品、いつか忘れられ去られるものなのだろうが、子どものころ見た映画のほうが印象が強い。多くの人の心の中に残っているはずだ。ハリウッドにもルイーゼ・ライナーという大女優がいた。彼女はアカデミー主演女優賞を二年連続受賞しながら、その後作品に恵まれずロンドンのアパートで(かつてヴィヴィアン・リーが住んでいた)ひっそりと暮らしているらしい。来年1月で100歳を迎える。もしかして伏見扇太郎が生きていて、ひっそりと自分の出演映画をDVDで見ているということはないだろうか。
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