秋深き
映画「秋深き」(池田敏春監督)を見る。園田競馬場とか近場の風景が楽しい。原作は織田作之助の短編。新婚まもない妻が乳がんで死ぬ話だが、お涙頂戴ものではなくて、そこは大阪の夫婦もの、「夫婦善哉」のような味をうまく映像で表現できている。八嶋智人と佐藤江梨子のコンビがいい。もちろん男性視聴者はサトエリをめあてに見るのだが、露出シーンを排除したことがかえって成功している。乳がんをあえて切除しなかったことは愚かしい行為なのだろうが、そのことは若い夫婦のいちずな愛が乳房に象徴されていていいシーンだ。佐藤浩市など大物スターが脇役で出演しているが、日本映画の今の底力を見たような気がする。
織田作之助は最初の妻、宮田一枝を病気で亡くしている。一枝はカフェーの女給、映画のサトエリは一代でホステス。時代は現代に変更しているものの、原作者・作之助の体験も少しはうかがえるように思う。
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