ホイッスラー
チョウのことを英語でバタフライ(おしゃれ、見え坊)というが、フランス語ではパピヨン(移り気な人)という。あるときドガが「パピヨンの役は、非常に疲れるんだなあ、まったく年老いた牡牛の方がいいね」といっている。パピヨンとは、彼の友人のホイッスラーのことである。ホイッスラーは、サインに図案化したチョウを、あたかも花押のように使用していた。そこから、ひとは彼を指してチョウチョウ(おしゃれ、見え坊)と呼ぶようになったのである。
ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)はアメリカのマサチューセッツ州ローウェルで生まれた。ロセッティやドガと親交をもち、1870年代には「ノクターン」の連作を発表、暗い色調と日常性を無視した画風はJ・ラスキンの酷評を受け、訴訟問題となった。79年から80年はベネチアで過したが、再びロンドンに戻り、1886年には王立協会会長を勤めた。
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